東京CDE・CDS Excellent Awards 2018授賞式を開催しました!

7月24日に株式会社創新社会議室にて東京CDE・CDS Excellent Awards 2018授賞式を開催いたしました。
一般社団法人東京糖尿病療養指導推進機構 代表理事である本田正志先生より受賞者2名に賞状、トロフィー、賞金が授与されました。

最優秀賞の受賞者は東京CDE認定者の田口 厚子様(左の写真)、優秀賞の受賞者は東京CDS認定者の野口 由里様(右の写真)です。

田口様、野口様の受賞内容を掲載いたします。
東京CDE・CDS Excellent Awards2018にご応募いただいた皆様、どうもありがとうございました!

なお、2019年度の東京CDE・CDS Excellent Awardsの応募を開始いたしました。
詳細は以下をご確認ください。多くの認定者の方のご応募をお待ちしております。
東京CDE・CDS Excellent Awards

最優秀賞
田口 厚子 様

セルフモニタリングを促すだけでも血糖値コントロールに効果があることを体験
明るくはつらつとされている患者様の様子が嬉しかったです

 糖尿病腎症重症化予防の保健指導で72歳の女性の方を3か月間支援しました。空腹時血糖251、HbA1c7.9と高値で他にLDL-コレステロールと中性脂肪も高く、食事と運動の両面からの生活習慣の見直しが必要と考えられました。

 介入当初はプログラムの参加を渋っており否定的な発言がみられたため、負担なく参加できるように本人の意向を尊重しながらアドバイスを行い、食事や運動については本人なりのやり方に任せました。体重、血圧、歩数を毎日記録するように指導したところ、思った以上にしっかりとセルフモニタリングを実施され「メモすることで数値と体調の因果関係を自覚できました」と言い、介入から3か月後には記録することで体調をコントロールできることを理解していました。

 趣味でグランドゴルフをしており大会にも積極的に参加している方で、以前は大会翌日は疲れて動けなかったのが、セルフモニタリングで体調を調整することができるようになったことで大会翌日も動くことができるようになったそうです。ここ1か月でグランドゴルフの大会に3回出場し「3回とも賞をいただいて楽しい思いをしました!」と、とても明るい声で元気にお話しされたのが印象的でした。空腹時血糖137、HbA1c7.4と検査データも改善し、先生にも「効果がありましたね」と褒められてセルフモニタリングの効果を実感されていました。

 3か月目の最終支援時にこのプログラムの参加を振り返ってもらうと、「最初は何をやるのだろうと思っていたが、薬を飲み始めて20年、体重、検査値、歩数などに関係なく自分なりに調整していたことに不安があり今のやり方で良いかを確認したかったので、数値を記録することで体調を調整することができるようになり、参加して良かった」と言われました。

 この症例を通して、生活指導を拒む患者に対しては食事や運動について細かく指導をしなくても体重、血圧、歩数の測定と記録の実施を促すだけでも血糖値などのコントロールに効果があることを体験しました。そして何よりも患者様が介入当初に比べてはるかに明るくはつらつとされている様子がうれしかったです。

優秀賞
野口 由里 様

患者様への声掛けにより診療時間以外でも情報を収集できることを実感しました

 医療事務の仕事に就いて32年。少しでも診療のお手伝いができればと東京CDSを受験しました。4月になってまず、待合室に糖尿病のことをいつでも相談いただけるよう掲示をしました。次に、週に1度の糖尿病外来に通院している患者さんに一人ずつ声をかけ話を伺いました。内容は①糖尿病の発症年月、②受診したきっかけ、③思い当たる原因、④既往症、家族歴、⑤現在の状況(食事、運動、家族、生活)などです。年齢を問わず皆さんとてもよくお話ししてくださるので、お一人につき1時間以上かかってしまうこともよくありました。限られた診療時間以外のところで情報が集められるのだと実感しました。

 しかし、血糖のコントロールが上手くいっていない方ほど「食事も運動もちゃんとしているから大丈夫」と身構えてあまり話さないのが印象的でした。また、高齢の方には認知症の度合いに気を付けて話を聞くようにしました。86歳の女性は50代未婚の息子さんと2人暮らしなので自分がいつまでも元気で迷惑をかけないようにしたいと言っていますが、最近認知症が進んでしまい、心配な方の1人です。57歳未婚女性は同居する両親が年老いてきたので自分がしっかりしなければ、と食事を見直すということです。64歳男性は「運動をやめて不摂生をしてしまったので糖尿病になった」と急激なダイエットを始めてしまい、何度か助言しましたが聞き入れず、痩せたからHbA1cが5.3%になったと意気揚々としているのでリバウンドに注意して見守っていきたいと思っています。

 また、テレビ等の情報に敏感な方も多く、ピーナッツや舞茸などが血糖を下げると聞くとそればかり食べるということが見受けられるので、その点も注意喚起していきたいと思います。一通り患者さんの情報を得たところで、今度は1~2か月毎にテーマを決めてフットケアや食事、運動について支援していこうと医師と相談しています。この頃はレシピ集が欲しいという方や果物は朝昼夕のいつどの位食べていいのかと聞いてくる方もいて、気軽に話せるのはとてもいいことだと思いました。

 「頼りにしているよ」といわれ嬉しい反面、私もまだまだ勉強不足ですので、これから少しでも多くの患者さんのお力になれるよう努力していく所存です。